注射手技のリコメンデーション

リコメンデーション

注射手技に関するリコメンデーションは、常に進化を続けています。

2010年にアテネで開催されたTITAN(FITTER前身の会議)開催終了後に、注射手技に関する初の世界的なリコメンデーションが公開されました。このリコメンデーションは各国で採用され、それぞれの言語でも公開されました。ローマで開催されたFITTER会議では、最新の研究結果を検討し、インスリン注入とインスリン投与時の安全性についての記述も加えて、インスリンデリバリーに関する新しい世界的なリコメンデーションを作成しました。

目的

  1. HbA1c目標を達成する
  2. リポハイパートロフィーを減らす
  3. 過剰なインスリン投与を減らす
  4. 合併症を予防する
  5. 症状の改善

FITTERのリコメンデーション

糖尿病治療薬の注射/注入に関する論文を、専門家グループがレビューして抽出した推奨事項について、世界の糖尿病領域専門家が協議して修正を加え、糖尿病治療薬の注射/注入手技・指導に関する推奨事項としてまとめました。

構成

FITTERのリコメンデーション

解剖学

生理学

病理学

心理学

技術

科学的根拠 推奨事項

新たな3つの世界的なリコメンデーション

注射手技

注入手技

投与時の安全

新たな6つのゴールデンルール

研究

ITQ(注射手技アンケート)

インスリンデリバリーに関する調査では、42カ国423施設から13,264名の患者さんを対象としました。

注射手技に関する大規模調査(第3回・第4回)

これまででもっとも大規模かつ広範囲にわたり実施されたインスリン注射手技に関する3回目の調査で、世界42か国の13,264名を超えるアンケートが回収されました。

世界中のインスリン使用患者(6カ月以上インスリンを使用)の代表的被験者における、注射と注入の実施について調査することを目的としています。1型糖尿病、2型糖尿病、または妊娠糖尿病に罹患しており、インスリンペン型注入器、シリンジおよび/またはインスリンポンプを使用し、口頭で参加に同意した患者さんを対象としました。」

調査目的

  • 注射に関する主要パラメーターの疫学的特性を把握すること
  • 注射手技で見られる血糖変動の主要な要因を特定し、そのランク付けを行い、要因間の相互作用を確認すること
  • 心理学的、社会学的、経済学的問題を含め、注射手順に関する認識を患者に質問すること

調査に参加するメリット

  • 最先端の科学研究に参加できる
  • 5年間に達成した進歩を比較することができる(2013年と2008年の比較)。
  • 後回しにされがちな問題について個々の患者と話し合う機会が得られる。
  • 所属する施設の特性(得意分野と不得意分野)を理解できる。
  • 得られた結果を自分の地域、そして世界中の人が得た結果と比較することができる。
  • 各施設は、それぞれの地域で得られた結果や世界全体の結果についての結果を受け取ることができる。

結果

  • 結果に関する分析と討論をFITTER会議で実施しました。
  • この結果は、注射手技、安全性、および注入に関する世界的なリコメンデーションのドラフト作成に反映されました。
  • 研究は『Mayo Clinic Proceedings』で公開されています。 こちらおよび こちらからアクセスできます。
地図
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CSII(インスリンポンプ療法)に関する国際共同調査

インスリンポンプ利用患者を対象に、インスリンポンプ代謝性および非代謝性合併症の発症率を調べた国際共同調査が最近実施されました。調査票は、米国、カナダ、ドイツ、フランスの患者および医療従事者に配布されました。調査票に加えて、医療従事者は、患者の身体面に関する評価と患者が利用しているインスリンポンプおよび患者のカルテの確認も行いました。このデータは、CSⅠⅠ療法に関する考察で、インスリンポンプを大きく取り扱う必要性を裏付けるものとなるでしょう。
調査から明らかになった結果は、FITTER会議で、インスリンポンプ利用患者の診療歴が長い糖尿病専門看護師(CDN)の第一人者であるPhyllis Wolff氏が発表しました。